不静定次数:片持ち(庇)は壊れやすい?

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ハネ出し部と言ったほうが解りやすいでしょうか。
たぶん構造屋さんでなくても、ハネ出しのバルコニーや、庇、軒の出部分はなにかと損傷を受けやすい所だと言うことは体験上知っている方が多いと思います。
少しだけ専門的な言い方をすると「不静定次数が低いから」といった言い方になりますが意味不明の方のために少し補足します。


ハネ出しの庇などの場合、根本部分だけが建物本体とくっついています。したがって、根本が壊れると、その時点で庇は落下してしまいます。
では、通常の梁やコンクリートスラブの場合はどうでしょうか。
通常の梁は柱と梁の両端が接合されています。したがって梁の片側接合部が壊れても、もう片方の接合部が、がんばって梁が落ちないように支えようとします。
梁の両端が壊れて始めて梁が落ちる事になりますから、実際に壊れるまでの余力がハネ出しの庇等にくらべて大きい事になります。
この余力を数値化したものを不静定次数といいます。
解りやすくするため、かなり概念的に書いていますので正確ではありませんがイメージだけ読み取ってください。
つまりこの余力が大きいほど建物は壊れにくくなります。通常の建物は不静定次数が非常に大きいので、部材のどこか一部が壊れてもすぐに建物全体が倒壊する事はありません。
各柱・梁が順番に壊れていって、「もう限界!」となった時にバタンと倒壊します。この「もう限界!」となった瞬間を僕らは「メカニズムに達した」と言った呼び方をします。
ハネ出し部材の場合は根本が壊れた時点でメカニズムに達した事になります。とくに北海道は雪が多いですから、建物が出来たばかりでも、ちょっと雪が多く降ると庇など一発で下がります。
私はハネ出し部材を設計する時は、実際にかかる力を1.3~1.5倍に割増して設計する事にしています。これは部材としての余力が小さいため応力の方を割りまして安全率を確保したいからです。
設計の考え方は、人によって色々ありますが、トラブルになりやすい部分は構造設計者意外の方も慎重にチェックするようにしたいものです。

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