信頼できる医師と信頼できない医師

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風邪をひいた時の話です。
風邪をひいた当初、のどに痛みや熱が出たので、普通の風邪だろうと思っていたのですが風邪をこじらせたのか、咳が4週間近くとまりませんでした。


熱はすぐ下り咳以外の症状が全く感じられなかったので「もしかすると別の病気では?」と言う不安が頭をよぎるようになってきました。
私の家系はアレルギー持ちが多く、私の母親も未だに喘息で苦しんでいますし、私自身も食物アレルギーを持っており貝類が食べる事ができません。
「まさか喘息・・・?」
母親の苦しさを間近で見てきた私にとって、それは非常に恐ろしく感じました。
咳は良くなるどころかますますひどくなり、夜も咳で寝れない状態が続いたため、さすがにこれはまずいと言う事で、あまり行った事のない大きな総合病院に行ってみました。
私 :もう3週間以上咳が止まらないんです。 ゴフッ、ゴフッ、オエ-
医師:苦しそうだね。熱はどうですか?(聴診器をあてながら)
私 :最初は熱があったんですが、すぐ納まって、それ、ゴフッ、ゴフッ、それから咳が止まらないんです。
医師:そうですか、では咳止めを出しておきましょう。
私 :あのー、咳で夜も寝れないのですが・・・
医師:あっ、そうですか。では夜寝れるような咳止めを出しておきますね。良く聞く薬なのでバッチリ寝かしてあげますよ。
私 :あっ、はい。でも、私はタダの風邪ですか?肺炎とか喘息ではないでしょうか?
医師:う~ん、なんとも言えませんが、とりあえず薬を飲んで様子を見てみましょう。
私 :ガックリ・・・・・。

この後、私は不安を抱えつつも医師の指示通り薬をのみ、1週間ほどで完治しました。私は病気は治りましたが、正直な気持ちでは、医師の対応に対してちょっと残念でした。
自分は風邪以外の病気の場合の事を心配して大きな総合病院に行き、医師にもその質問を投げかけたのですが、なぜか話しをはぐらかされてしまいました。
医師が私の不安な気持ちをもう少しくみ取り、不安を取り除く努力をしてくれたなら、この医師に対して、それほど不信感を抱く事は無かったと思います。
しかし、彼は何故か、私のそういう不安な気持ちを無視し、話しをはぐらかしました。面倒だったのか?たいした病気ではない事を経験上判断できたから?
医師が「そんな心配しなくても大丈夫だ」と診断しているなら、私は、何故大丈夫なのか、納得の行く説明をしてほしいと思います。
彼の処置はある意味正解でした。もしかすると、技術的にはたいへん優れた医師であったかもしれません。でも私は彼を信頼する事はできませんでしたし、また彼に診断してもらおうとは思いませんでした。
「技術的に優れている事」 と 「信頼される事」 は全然違う話だと言う事ですよね。でもこれって、人ごとでなく自分の仕事も同じではないかと。
我々の仕事は業界以外の人にとって非常にわかりづらい内容になっています。いえ、業界の中にいてさえも、各分野が専門化され全てに精通する事は、ほとんど不可能です。
そんな中で相手に信頼される技術者になるためには、やはり相手の気持ちをよく理解し、その不安や疑問を丁寧に対応する事が非常に重要だと。
当たり前の事です。でも、その当たり前の事をつい忘れてしまう技術者が非常に多くいるのではないかと感じます。
技術者はより高度な技術を身につける事を重視し、その技術をどの様に人に使うべきか、技術をより、わかりやすく伝えるにはどうしたら良いか、相手がどんな疑問・不安を持っているのか、又それを解決するにはどうしたら良いのか。
こういった「人の気持ち」の部分のサポートを手抜きして、仕事をしていては本当に信頼される技術者にはなれない。これって技術と全然違う話だけど、とても重要な事だなと改めて感じました。

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