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採用情報

■ さくら構造 社員インタビュー - 




(について)
(29歳)。札幌生まれ、札幌育ち。建築の専門学校の在学中に「自分は構造設計に向いている」と確信。卒業後は、所員20人の札幌の構造設計事務所に入所。

入社3年目、24歳で結婚。仕事は楽しかったが、上司と反りが合わず、意味なく怒られる日々が続き、最後にはその上司と同じ空間で同じ空気を吸っているのがイヤになり、突発的に退職。三ヶ月ほど仕事もせずブラブラしていたが、奥さんに怒られたので、まずはハローワークに行ったところ、偶然、さくら構造を見つけ、ここ何となく良さそうと思い、25歳で入所。

最初の設計事務所は実質ゼネコンの下請けであり仕事も単調で不満だったが、さくら構造ではバラエティに富んだ仕事ができる点に喜びを感じている。2012年には高さ130 m 、地上38階建ての札幌最大級のマンションの構造設計を手がけた。若い頃からの音楽ファンで、好きなジャンルはソウル、R&B。

■ 目指せスーパー技術者

― さんの「今まで印象に残っている仕事」を教えてください。

あえて言うならば、「今までやった難しい仕事すべて、めんどくさい仕事すべて」が印象に残っています。

私が目指しているのは、どんな困難な案件、未知の案件でも全てこなせるスーパー技術者になることです。日々、そのために努力しています。

誰もやりたがらない仕事、難しい、めんどくさい仕事が来たときは、全部、私にまかせてください。


■ 印象に残っている3つの仕事

― 「ややこしかった仕事すべてが印象に残っている」とのことですが、それでも敢えて例示するならば、どんな案件が印象深いでしょうか。

強いていうなら「高さ130 m 、地上38階建のマンションの構造設計」、「特殊デザインの商業ビルの構造設計」、「ゴミ処理場の構造設計」が印象に残っています。


■ 時刻歴応答解析を使った、高層マンションの構造計算

― 「高さ130 m 、地上38階建のマンションの構造設計」とは具体的には。

これは時刻歴応答解析を使って構造計算した案件です。時刻歴応答解析は現在、自分の中でメインの研究課題です。

**年には、社内で「串だんごクラブ」という勉強会を立ち上げました。現在の参加人数は*人。勉強会の名前は、「高層ビルの構造解析は、『串にいくつか団子を刺したようなイメージ』で概念化できるはず」という考えにちなんでつけました。

「時刻歴応答解析」とは

構造計算とは、地震をはじめとする外部からの力に対し、建物を耐えさせていくための解析です。

その「外部からの力」として、通常の構造計算が「ある大きさの単純な力」を想定するのに対し、時刻歴応答解析では、時と共に変化するリアルな地震波を使ってシミュレーションすることで、より精密な解析を実現します。

通常の構造解析では、地震の影響を「外部から建物にドンと加わる大きな力」と見なします(左図 上イラスト参照)。この力の大きさは、法令により定められています。構造技術者は、その「予め法律で決まっている大きさの力」に対し、建物が耐えられるかどうかという観点で、計算します。

しかし、地震による実際の力は、そうした「ドンと来る力」ではなく、大きくなったり小さくなったりする波、地震波です。そこで時刻歴応答解析では、「波状の力」を仮定した上で、それに建物がどう耐えていくかをシミュレーションします。

どのような波を想定するかは、法令によりいくつかサンプルが決められていますが、実際の時刻歴応答解析では、それに加え、構造計算技術者自らが現地の地盤の土質、強度をもとに「(法令によるサンプルとは別の)オリジナルの地震波」を想定し、それを使って計算します。

波は時間と共に強くなったり弱くなったりします。このように「時刻経過に伴う変化の概念」があることが、通常の構造解析との違いであり、また「時刻歴」応答解析という名前の由来でもあります。

そして地震波には、建物が「応答」します。固い建物は早く揺れますし、柔らかい(粘度の高い)建物は、しなってゆっくり揺れます。建物がどこまでしなり、どれほどの揺れ幅、スピードで揺れるのかは、地震波と建物の相互応答により決まります。これが時刻歴「応答」解析という名前の由来となります。



高さ130 m (地上38階建て)マンションの構造設計は、どのぐらいの難易度なのか
                                           (の上司、 談)
高層マンションの構造計算は単純な話、高層になればなるほど難しくなります。

その難易度を分類すると、大きくは:
  • 「高さ45 m まで」
  • 「45 m から60 m 」
  • 「60 m 以上」
となります。難易度の内容は次のとおりです。

分類 1. 「高さ45 m まで」 ~ 難易度 「普通」
高さ45 m というと、大きくは「日本全国にある、地上15階建てぐらいの普通のマンション」というイメージです。これぐらいなら普通の構造技術者と普通の建設会社の組み合わせで建築可能です。

分類 2. 「45 m から60 m 」 ~ 難易度 「中」
45 m を超えると「やや高層マンション」というイメージになります。設計、施工ともにやや高度な技術、そして実績が必要になります。45 m を超える高層マンションは地方都市にはあまり多くありません。これは「地方都市では、そこまで高層の需用がない」という理由の他に、「地元ゼネコンが引き受けたがらない」という理由もあります。

仮に地方都市で、50 m の高層マンションの企画が立ち上がった場合でも、地元の建設会社や構造計算事務所が、「そこまで高層マンションを手がけた経験がないから」という理由で敬遠・辞退することがありえます。その場合でも、マンション計画を立ち消えにさせるわけにもいかないので、高さ50 m の予定を45 m に縮小して、地元の建設会社や構造計算事務所でも対処できるようにして建設する場合があります。

分類 3. 「60 m 以上」 ~ 難易度 「高」
高さ60 m 以上のビル・マンションを建設する場合、法律により、必ず必ず時刻歴応答解析により構造計算を行うことが義務づけられています。設計図書の審査も、通常の構造計算が「一般審査」だけでOKなのに対し、この場合は「大臣認定」まで必要になります。

60 m 超の高層マンションの構造計算ができる技術者はそう多くはありません。推測ですが、東京、大阪など大都市には多くいても、地方都市にはそれほど多くない。おそらく札幌では50人いるかいないかとなるでしょう。

超高層建築の定義は、広辞苑によれば「15階以上、または、100m以上の高さの建築物を超高層建築と呼ぶことが多い」とあります。

現在、日本で最も高層のマンションは、地上54階建て、高さ209 m の、大阪市の北浜タワーです。

これらのことを考慮するならば、さんに、「地上38階建、高さ130 m のマンションの構造計算を行った実績があること」は、構造計算技術者として誇って良いことだと思います。



■ 特殊デザインの面倒なビルの構造設計

― 印象に残った仕事 2、「特殊デザインの商業ビルの構造設計」とはどんな仕事だったのですか。

一言でいうと「変な形」のビルでした。屋上部分が大きく欠けており、欠けた部分を覆うようにして、薄い鉄骨作りの屋根、そして壁がかかっている。

建設現地は大型台風もときおり来る場所でしたが、いかにも強風や揺れに耐えにくそうな形でした。

この案件の基本スペックは「10階建て、鉄骨造、商業ビル兼共同住宅、床面積4000平米、形状は複雑」というもので、一方、仕事スペックは「納期は三週間、金額はなるべく安く」という、なかなか無茶振りな仕事でしたが、気合いで完了させました。


■ 異種構造と過酷な環境

― 印象に残った仕事 3.「ゴミ処理場の構造設計」とは?

この仕事は、「異種構造が絡み合う」という点で困難でした。

「異種構造が絡みあう」とは、例えばゴミをトラックから落とす場所がそうですが、底部はコンクリート造でしたが、周囲は柔らかい鉄骨造でした。この場所に毎日、大小様々なゴミがドカーンと落とされます。

またゴミ処理の主要部分も、床部の高さがバラバラで、その上に数百キロ~数トンの大小様々な機械・設備が載っています。

通常のマンションの場合、いかに高層とはいえ、構造に一様性、対称性があり、かつ内部では人が静かに住んでいるだけなので、日常的な震動は発生しません。

一方、ゴミ処理場は、その真逆で、異種構造が各所で絡み合い、毎日トラックから大量のゴミがドカンと落とされ、それがコンベア上、設備内でバリバリ破砕されまくり、震動しまくりという、特殊かつ過酷な環境です。

高層マンションの構造設計とは、また違う難しさ、面倒さがありました。鹿市、私は、そういう案件ほど好物なので楽しく仕事ができました。


■ 難しい仕事をこなすために必要な能力

― 困難な仕事、面倒な仕事を完遂するとき、どんな能力、資質が必要になるのでしょうか。

一概に回答するのは難しいですが、大きくは「全体を見る力」、「思考の持続力」、「あきらめない力」、「めんどくさを上回る好奇心」ということになるでしょうか。

そういう能力のことを、「37手詰めの詰め将棋を解くの必要な力と同じ」と表現した人がいましたが、確かにそうかもしれません。


■ 37手詰めの詰め将棋

― 「37手詰めの詰め将棋を解くのと同じ」と言うと?

その人が言うには「37手詰めの詰め将棋を解く場合『全体を見る力』、『思考の持続力』、『あきらめない力』、『めんどくさを上回る好奇心』の全てが必要になる」とのことでした。

詰め将棋の場合、3手詰め、5手詰めなら、初心者でも暇つぶしとして楽しめます。10手を超えると少し辛くなりますが、中級者にとっては「歯ごたえのあるパズル」といった程度の気楽な楽しみでしょう。

しかし「37手詰め」となると、上級者でも、ちょっと構えることになると思います。初級者では、どこからどう着手して良いかすら、さっぱり分からないでしょう。

37手詰めを解くには、いきなり当てずっぽうに着手するのではなく、事前に全体の構造をよく見て、詰め上がりまでのゲームプランを構想する力、「全体を見る力」が必要になります。

次に、何しろ37手詰めですから長時間じっと考え続けなければいけない。ここで「思考の持続力」が必要になります。

ある方法で一生懸命トライしたが結局ダメだった、もう一回別の方法でやり直し、ということもあり得ますが、しかしここで気落ちして投げ出してはいけません。「あきらめない力」が必要です。

そして、この「思考の持続力」「あきらめない力」の源泉は何かというと、「めんどくさを上回る好奇心、探究心」ということになるでしょう。この37手詰めが解きたい。解けると面白いだろうなあ、絶対、解きたいよなあと、この正解を目指す気持ちがもっとも必要です。

もう一つ加えるなら、「きっと解ける」、「大丈夫」と楽観できる、根拠のない自信も必要になるでしょう。「37手詰め?、まあ、難しくはあるけど、でも解けるに決まってるじゃん、オレがやれば」というゴーマンさも重要です。


■ 将来の展望

― 将来はどんな構造技術者になりたいですか

いつまでも技術を追い求め、いつまでも新しいことに取り組み続けたいです。

構造計算の仕事は、ある程度の技術が身につけば、そこで進歩を止めて、自分の実力の範囲内の仕事だけを引き受けるというやり方でも、食っていくことは不可能ではありません。選択は人それぞれです。

しかし私は、小さくまとまることなく、ひたすら技術を追い求め続ける道を歩みつづけるつもりです。

これからも挑戦しつづけます。人がやりたがらない難しい仕事、面倒な仕事は、全部、私にまかせてください。
※ 取材日時 2014年12月

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