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採用情報

■ さくら構造 社員インタビュー - 




(について)
(36歳)。大阪生まれ・大阪育ち。父親は九州男児、叩き上げの大工。地元の工業高校、福岡の大学と建築を専攻し、建設現場への就職を志したが、当時、建設業界は就職氷河期のため、やむなく福岡の建材メーカーに就職。しかし1年後、会社は倒産。

実家に帰って、実家の工務店を手伝いながら、夜は資格取得のために勉強し、26歳で一級建築士の資格を取得。このときあらためて構造設計に興味を持つ。その後も、父親の工務店で、新築・リフォーム 十数件の仕事をこなすが、もっと構造設計を極めたいという気持ちが高まったため、構造設計事務所への転職を決意。しかし、さくら構造をふくむ20社以上に応募したものの「29歳。実務経験なし」というスペックが祟ってか全て不合格。

最終的に何とか大阪の意匠設計事務所に潜り込んだが、あまり本格的な構造設計の業務もできないまま時が過ぎる。そして2年後。さくら構造から「当時は即戦力採用だったので不合格にしたが、今回は社員倍増計画を立てているので、よければ入社して欲しい」と連絡が入る。ついに訪れたチャンスを逃せるはずもなく、二つ返事と入社を承諾。地元 大阪を離れ、さくら構造本社のある札幌に引っ越す。

結局、構造設計技術者としてのキャリアは「31歳、本格的な実務経験無し」からスタートすることになったが、その分、学習意欲と挑戦マインドも旺盛。入所後5年間で、約80棟の構造計算をこなし、2014年には、難関とされる「構造設計一級建築士」の試験にも合格した。

趣味はスポーツ。5歳から水泳に親しむ。大学時代はスポーツクラブで水泳インストラクターをしていたほどの泳ぎ好き。その他、自転車、テニス、ゴルフ、札幌に引っ越してからは登山、スノーボードなどスポーツ全般を好む、さくら構造でも屈指のアクティブ社員である。


■ 印象に残っている2つの仕事

― さんの「今まで印象深かった仕事」について教えてください。

2つあって、一つは「食品会社の大倉庫の構造解析」、もう一つは「ゴミ焼却場の不均一な架台の構造計算」です。


■ 大手食品会社の倉庫の構造解析

― 「食品会社の大倉庫の構造解析」とは、どんな仕事ですか。

これは大手ゼネコンから依頼された仕事です。

札幌郊外に大手食品会社の商品倉庫(116m * 86m) があるのですが、それが築30年を経たある年、天井を支える鉄骨の一部が積雪荷重に耐えきれず、ぐにゃりと曲がってしまいました。

あくまで鉄骨が曲がっただけで、倉庫の損壊や商品の破損は発生していません。しかし食品会社にしてみれば当然、放置できる事態ではないので、30年前にその倉庫を建てた大手ゼネコンに、状況分析、報告、改修案の提示を求めました。

しかし大手ゼネコンとはいえ札幌支社には、複雑な構造解析をこなせる人材がいなかったため、それで、さくら構造に仕事が回ってきた次第です。

この時、さくら構造に依頼されたのは、調査、モデル化、応力計算など一連の解析作業でした。ゼネコンは、その解析報告に考察、解釈を加えた上で、食品会社に報告、提案することになっていました。

この解析作業を私が担当したわけです。報告書は一週間で作成しました。


■ 対称性を利用することは禁じられた

― その解析はどういう点が複雑だったのでしょうか。倉庫というのは骨組みが多く一見、複雑に見えますが、結局のところ、ある特定の構造が複製されていく「対称性のある構造」なので、局部の基本構造さえ解析できれば、後はそれを全体に拡張(コピペ)していけば良いだけであり、実は見た目ほど難しくないような気がするのですが…

おっしゃる趣旨は分からなくもありません。もしかするとこの倉庫を建てた30年前、まだコンピュータも普及しておらず手計算で構造設計をしていた時代には、そういう発想で計算を合理化(簡略化)していたのかもしれません。

しかし、今回の解析では、クライアントであるゼネコンから、「対称性のある構造だから一箇所の計算を全体に拡張してもOKの【はずだ】」というような考え方を取ってはならないと、あらかじめ申し渡されていました。


■ 複雑な対象を複雑なまま解析することが求められた

― 「対称性に着目する手法」では、なぜダメだったのでしょうか。

「対称性に着目する」という立場を取ると、「どの箇所も全部同じ(対称的)」ということになり、そうなると、今回のように「特定箇所の鉄骨だけが曲がった理由」が説明できなくなるからです。

今回、鉄骨が曲がったのは、その箇所特有の問題なのか、それとも問題は特定箇所だけでなく倉庫全体に共通するものであって、つまり今回、特定箇所の鉄骨が曲がったのは偶然であり、将来的には他の箇所の鉄骨もどんどん曲がっていく可能性があるのか。こうした疑問に論理的、実証的に回答することが求められていました。

また、倉庫は表面上は単調に(対称的に)見えますが、実際には屋根に緩やかな勾配があるなど、仔細に見れば構造は一様でありません。

今回の仕事では、「複雑なものを複雑なまま捉え」、「損傷箇所と他の箇所の微妙な違いを見つけ」、「その小さな違いが、鉄骨部材の座屈という大きな違いに至った理由を追求すること」が求められていました。

私の上司、久保さんの目から見ても、「変わった仕事」「難しい仕事」だったようです。


■ 上司、久保の視点から見た、この仕事の難しさ

― 久保さんに質問です。久保さんの視点からは、この仕事はどんな点が難しく見えたのでしょうか。

(久保):さくら構造では、通常、ビルやマンションの仕事が多いので、「築30年の倉庫の解析」は異色の仕事でした。

倉庫は、「平屋」である点は、「高層」のビルやマンションより簡単です。しかし、高層ビルでは基本的に柱と梁が直交して構造を支えるのに対し、倉庫ではさらに斜材が加わり立体トラスで組まれているので、これの解析は、多くの技術者にとって「いつもと勝手が違う仕事」になります。

また解析プログラムも、通常の一貫計算プログラムではなく、任意系プログラムを使わなければなりません。

また、今回の仕事では、ゼネコン、食品会社のいずれも「超大手企業」であり、解析結果にも高い品質と論理性が要求されました。

「初めてでいつもと勝手が違う、だけどクライアントの要求水準は高い」という、なかなか難しい仕事でした。


■ この困難な仕事をに頼んだ理由

― そんな難しい仕事を、実務経験が多くないさんに任せたのはなぜですか。

(久保):さんは、構造技術者としてのスタートこそ遅かったものの、その分、学習と研究に燃えており、社内でもメキメキ頭角を表していました。

特にさんには、初めての仕事にも物怖じしないチャレンジ精神、仕事が難しいほど燃えるというファイティングスピリットが旺盛でした。

さんに頼めば必ず良い仕事をしてくれるという、確信がありました。

):技術者としてのスタートが遅かった自分にとって、難しい仕事を担当させてもらえるのは願ってもないことでした。技術力アップの機会を与えてくれた会社に感謝しています。


■ ゴミ焼却場の架台の構造解析

― 印象に残った仕事2.「ゴミ焼却場の不均一な架台の構造計算」とは、どんな仕事だったのですか。

このときは、ゴミ焼却場の中の、「各種大型機械を載せる架台の構造計算」をしました。図を見ると小さく見えますが、実際は20メートル * 10メートルという大型の架台です。


■ 複雑な構造と過酷な使用環境

― この仕事はどんな点が難しかったのですか。

この架台は「形状は複雑」、「荷重条件はバラバラ」、「重量物が日常的にガタガタ揺れる」というもので、静かに佇む高層ビル・マンションの構造設計とは全く違う世界でした。

まず形状ですが、図を見ても分かるとおり、この架台は「あらゆる箇所がバラバラ」です。言い替えるなら、通常のビルやマンションあるいは先ほどの倉庫の例で見られるような「対称性」がほぼありません。ということは架台の荷重条件、内部への力の伝わり方も複雑になります。

このややこしい形の架台の上に200キロ~4トンという重量級の機械・設備がいくつも載り、それらは送り出されてくるゴミを破砕しながら、架台の上で恐ろしくガタガタ揺れます。

この複雑な仕事については、食品会社の倉庫の解析を完遂した実績が認められて、再び私が担当することになりました。社内リピートが来たわけです。「あ~認められた、よかった~」と嬉しくなりました。

この仕事も、1週間ほどで終わりました。

(久保):さんは仕事が早いんですよね。倉庫の解析のときも一週間で仕上げたので、ゼネコンの担当者が「早いですね!」と驚いていました。


■ が仕事が早い理由


― なぜさんは仕事が早いのですか。

たぶん計画性を重視しているからだと思います。

仕事に着手するときは「いきなり始めずに、まず全体を見る」ことを心がけています。いきなり始めると、的外れの方向に走り出すことがあり得るからです。

比喩でいうなら、もし「山頂に制限時間内で登れ」という課題が与えられたとして、いきなり登り始めるのではなく、少なくとも1時間は、地形図を見てコース選定をしてから登ると思います。

また自分は見た目の雰囲気のせいか、「コツコツやるタイプ」に見られがちですが、実は割合に「ひらめき重視型」です。数学の問題を解く場合でも、場合分けで全ての可能性を潰していくよりは、補助線一発で鮮やかに解きたいと志向するタイプです。


■ はなぜチャレンジ精神旺盛なのか

― さんのチャレンジ精神の源泉は何ですか。

父親の影響が大きいと思います。父は中卒、大工一筋の職人でしたが、手作業の技術だけでなく、理論もとても重視しており、大工仕事のかたわら独学で二級建築士の資格を取りました。

私が建築の仕事を志したのも、幼少の頃から父親の仕事場で遊んだり、ものづくりの働く姿を見たり、簡単な仕事を手伝ったりしたことがきっかけです。そういえば父親も、頑固一徹のように見えて、実はひらめき、柔軟な発想を重視するタイプでした。

私は構造技術者としては遅いスタートでした。しかし「建設業との関わり」については、子供の頃から大工の現場に出入りしていましたし、成人してからは父と一緒に家を一棟建てた経験もあるので、その点は自分の強み、他の技術者との差別化にできるかもしれません。

これからも新しい仕事にはどんどん積極的にチャレンジしていきます!


※ 取材日時 2014年12月

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