| 業務名 | 発注者 | 業務概要 | 構造種別 | 延床面積 | 耐震診断、 耐震診断補強の有無 |
性能評価等の 取得の有無 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 構造評定振動解析モデル作成・ 検証業務(耐震診断) |
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構造評定を受けた11棟の振動解析モデルを作成し、 地震応答解析を行い、モデル化の検証を行った |
S造:8棟 RC造:2棟 SRC造:1棟 うち免震構造4棟 ・制震構造5棟 |
S造、26階 175,000㎡ ほか10棟 |
無 | 無 |
| 既存超高層建物の 解析的検討(耐震診断) |
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既存超高層ビル7棟に対する入力地震動の 作成とその地震応答解析を行った |
S造:7棟 うち制震構造1棟 |
S造、22階 161,000㎡ (制震構造) ほか6棟 |
無 | 無 |
| 某鉄塔(東北)の 耐震性能検討業務(耐震診断) |
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東日本大震災で観測された地震波、告示波及び 既往波の計7波を使用して耐震性能を検証し、 不足の場合TMDダンパーにて制震補強を行い 応答値の確認を行った |
RC造:1棟 SRC造:5棟 うち制震構造1棟 |
鉄塔高さ86m ほか5棟 |
有 | 無 |
| 某高層ビルの長周期地震動に対する 耐震診断と補強案検討(耐震診断) |
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東日本大震災時、本建物が長周期地震の影響で 大きく振動した。最新の知見を取り入れ、 質点系の予備応答を行い、制震補強の必要性と 程度を把握する。 |
S造:ダブルチューブ構造 | S造、21階 48,000㎡ |
有 | 無 |
| 長周期地震動に対する調査検討の ための解析等業務(耐震診断) |
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既存超高層5棟の長周期地震動に対する 時刻歴応答解析 |
S造:4棟(35階他) RC造:1棟(28階) うち制震構造2棟 |
RC造、28階 162,000㎡ (制震構造) ほか4棟 |
無 | 無 |
| 某新築高層住宅の設計(新築) | ![]() |
18階の高層住宅の突出屋外階段に対する 地震応答解析による設計(任意確認) |
RC造:1棟18階 | 7,000㎡ | 無 | 無 |
| 某支社ビル耐震診断 (地震応答解析)業務(耐震診断) |
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昭和33年11月新築、平成9年鋼製ダンパー補強 (ハニカムダンパー)のRC5階建物の 地震応答解析による耐震診断及び追加制震装置の提示 |
RC造:1棟5階 制震構造 |
10,000㎡ | 有 | 無 |
| 某病院の設計(新築) | ![]() |
総合病院を制震装置を入れて時刻歴応答解析を行い設計。 施工は2回に分けての工事。 仮使用時は任意性能評価完成時は大臣認定取得 |
S造:1棟7階 (仮使用時を考慮す ると実質2棟分の設 計) |
17,000㎡ | 無 | 有 |
| 某病院の設計VE(新築) | ![]() |
新築免震建築で設計された、大臣認定取得物件の設計VE。 上部構造の質量と剛性変化による固有値解析、 免震装置の面圧チェック、マットスラブFEM解析など。 |
S造:1棟16階 | 84,000㎡ | 無 | 有 |
建築基準法では「最低限の安全」しか保証してません。
日本国内に建てられる建築物には、すべて建築基準法が適用されますが、
この法律の第1条には「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する
“最低の基準”を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、
もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」と書かれてます。
では、この「最低の基準」の“最低”は、建物の安全性ならば、どの程度のランクを指しているか?
ということになります。
これを一言で言い切るのは、発生する地震の大きさにも関連しますので難しいところです。
おおよそ建築業界に居る者の共通の合意としては、大きな地震(兵庫県南部地震や
今回の東北地方太平洋沖地震)が起きたときには
「人の命は保護するけれども、建物が壊れることは仕方ない。(ただし、パタンと倒れはしない)」と考えております。
ここで、地震で壊れる度合いの表現について説明します。
建築基準法では、地震の大きさを2つの段階で表します。
1)稀に発生する地震:数十年に一度発生する地震(震度5強程度と想像してください。)
2)極めて稀に発生する地震:数百年に一度発生する地震(震度6強~震度7程度)
と
1)に対しては「損傷の防止」=地震が収まっても補修すれば使用できる壊れ具合。
2)に対しては「倒壊の防止」=地震で大きく傾いたとしても倒れはしない状態。
建築業界の人間では合意していることでも、実際に住まわれる方や建物を所有されている方は
この「建物が壊れることは仕方ない。」ということを納得の上で買われたり借りたり、売ったり買ったり
しているものなのでしょうか?。
我々構造設計者も建築基準法は守らなくてはならないので、
大きな地震が起きたときには、まず“人命の保護”が優先され(当然ではあります)
建物の損傷については止むなしと解釈しているのが一般的な考えです。
構造設計者も自分が設計した建物が大地震でも壊れることなく残っていて欲しいと願う気持ちは当然あります。
ですが、構造体にかけられる費用が無尽蔵ではない限り、現実には何処かで折合う箇所を決めて設計せざるを得ません。
その折合う箇所というのが「大きな地震が起きたときには、建物が壊れることは仕方ない。
(ただし、パタンと倒れはしない)」という考え方なのです。
この考え方に基づいて設計した建物が「耐震構造の建築」です。
耐震構造の中にもランク分けがあります。“松・竹・梅”や“特上・上・並”(なんだかお寿司?みたいですね・・)
のように分けています。
その区分について説明しますと
【住宅品質確保の促進等に関する法律(品確法)】という長い名前の法律があります。
そこには、「住宅性能表示制度」というものが設けられています。構造に関わる性能としては
耐震等級・耐風等級・耐積雪等級・劣化等級の区分があります。
私たちの住む日本は、世界中でも有数の地震発生率の高い国ですので、当然「耐震等級」の
性能が建物の安全について支配的になります。
では耐震等級のランク分けについて簡単に書きます。
耐震等級1:建築基準法と同等の性能
耐震等級2:建築基準法の1.25倍の性能
耐震等級3:建築基準法の1.5倍の性能
という表し方です。(これでも建築専門以外の人はピンと来ないですよね・・)
耐震等級で比べた場合なのですが、察しの良い皆様からすれば3>2>1の順に弱くなっていることがお分かりかと存じます。
しかし、前述の「大きな地震が起きたときには、建物が壊れることは仕方ない。」ということから見たときに
『耐震等級3の建物は、決して壊れたりしない。』とは、建築業界の誰もが言い切ってないのです。
「等級1よりも“より壊れにくくなってます”」というのが、より正解に近い言い回しです。
では、何故このような奥歯に物が挟まった言い方しか私達建築業界の人は言えないのでしょうか?
・・それは、前にも述べましたが耐震建築が「自分達(=柱や梁や耐震壁)が大きく変形し(時には壊れることで)
地震のエネルギーを吸収している」からなのです。
この“大きく変形し(時には壊れること)”が、設計した建物に想定どおり現れないからこそ
“建築基準法の1.5倍の性能でも決して壊れたりしな”と言い切れないわけです。
その専門家が「壊れるか壊れないかは断定できない。だが壊れても仕方ない。」というならば、
「それなら逆転の発想で、“柱や梁や耐震壁が大きな地震でも確実に壊れない”と仮定してみたら?」と
その建物に住む人・借りる人・所有する人は思うことがあるでしょう。
我々、構造設計者も同じような思いから、耐震建築ではない地震に対する2つの構造形式を用意してあります。
一つ目は“地震の揺れを抑える「制震構造の建築」、もう一つが“地震の揺れから免れる「免震構造の建築」です。
【耐震構造の特徴】
地盤から伝わる地震の揺れは減る事無く建物に伝わり、建物は激しく揺れます。(揺れの度合いは地震の大きさに依存しますが)
耐震構造の特徴は柱、梁を太く頑丈につくり、建物自体で地震に耐えて建物構造部を守るという考え方です。
兵庫県南部地震で評価された耐震構造ですが、建物の倒壊を免れたとしてもゆれによる室内の家具などの転倒や間仕切壁の破損、
設備配管の損壊など、建物自体に大きなダメージを受けてしまうケースが多く見られました。
実際にその後の居住に耐えられなかったり、建物の資産価値がなくなったり、転倒した家具の下敷きになって
多くの方が亡くなられるなど問題点は多く残りました。
【制震構造の特徴】
制震構造は地震の揺れ(エネルギー)を吸収するダンパーという部材をつけています。
いかに揺れを抑えるかという考え方に基づいています。高層鉄筋コンクリート造の重い建物の場合は各階にダンパーを設置し、鉄骨造で塔状の軽い建物では最上階にダンパーを設置するケースが多いです。風揺れにも効果があるとされています。制震構造は地震が最初に建物を揺らしたときに大きく揺れるため、家具や設備配管の破損の恐れがあります。
【免震構造の特徴】
免震構造は基礎部分に設置した積層ゴムの部分で地震の揺れを絶縁し、上部の建物に伝えないという考え方です。積層ゴムが大きく変形することで地震の揺れを吸収しているとも言えます。
耐震構造と免震構造の決定的な違いは建物が揺れることでヒビが出るか出ないかです。
免震構造の考え方は「壊れない、揺れない」なのです。
揺れないということは建物のダメージだけでなく家具の転倒も少なく出来ます。
室内被害を少なく抑え、室内に居る人間の安全性を確保できます。
免震工法では大地震の揺れの強さが通常の1/3~1/5になり建物自体のダメージも小さく出来ます。
【適している建物形状】
■免震構造
・重くて硬い建物。鉄筋コンクリート造に向きます。
・塔状比(建物高さ/幅)が、4以下の建物が向きます。
■制震構造
・軽くてやわらかい建物。耐震壁がついている建物には不向きです。
・高さ方向に伸びる塔状建物に向きます。風ゆれ対策などに効果を発揮します。
【耐震性能】
■免震構造
・耐震構造の1/3~1/5(半分以下)に地震の力を軽減します。
・ゆっくりゆれるため家具や設備等の転倒・破壊を防ぎます。
■制震構造
・耐震構造の半分以上の地震の力を軽減します。(ダンパー設置量に依ります。)
・激しくゆれるため家具や設備等の転倒・破壊の恐れがあります。
【竣工後のメンテナンス】
■免震構造
・定期点検および臨時点検が必要です
■制震構造
・点検フリーです。
【主な注意点】
■免震構造
・建設コストが若干高くなります。建物の階数が増えると差が縮まります。
・積層ゴムの部分が動くため敷地周辺に40cm~50cm程度の余裕が必要です。
・軟弱地盤には向きません
■制震構造
・制震装置をつける位置や数に十分配慮する必要があります。
このように免震構造と制震構造を単純に比較すると地震対策では免震構造に分が有るようです。
建物自体が壊れないという点も「財産を守る」という点で優れています。
いずれにせよ、免震構造や制震構造を選択している建物は、
地震に対してより安心な建物であることは確かです。命を守ること、財産としての建物を守ること、
そのような観点からも免震建築、制震建築は
これから注目を浴びて必要とされていくことでしょう。