田中 真一 プロフィール

田中 真一
田中 真一

田中 真一−SHINICHI TANAKA−

さくら構造株式会社 代表取締役
(北海道札幌市出身)

北海道での構造設計業界年商No1に輝くさくら構造代表の田中氏。
順風満帆の人生に見えるが「振り返ると山あり谷ありの人生だった」と話す。

札幌市内の進学高校に全受験者中2位という高成績で合格したが、自分自身の生き方に迷い、徐々に落ちこぼれ大学受験に失敗。
大学受験を断念し、向かった先は札幌の繁華街すすきのだ。
すすきのでは数年間バーテンダーとして働き、お客様との関わりに楽しさを覚え仕事に夢中になっていった。

すすきのでの様々な経験をする中で、田中氏は「これからは建築だ!」と一念発起し、建築専門学校進学の学費を貯めるために、昼間に布団販売の仕事を始める。
営業の経験は全くなかったが、すすきので学んだ事を生かし、同期営業成績トップとなった。

布団販売店やBARの上司からは退職を引き留められたが、進学するための学費が貯まったため退職。
建築専門学校では、同級生があまり興味を持たない「構造設計」に興味を持ち「自分は構造設計の道に進む」と直感した。
その後も必死に勉強をし、特待生として卒業後、札幌市内の構造設計事務所に入社。
社会人として数年働いてきたが、はじめて健康保険証を手にし感動したという。

入社後はがむしゃらに働き、構造設計を数年間で一通り出来るようになった。
構造設計技術者として急成長し、仕事に打ち込んできたが、ふと自分の成長が止まっている事に気が付き、マンネリと惰性で働く自分自身に嫌気がさしてしまった。
そんな時、ふと浮かんだ言葉は大学受験に失敗し、流れ付いたすすきののBARの店長の言葉だ。

「いいか真一、飲み屋はな、今日流行ったら明日真似されるそんな商売だ。
そんな商売でも絶対に真似されないものがある。なんだと思う?
それはな、お前の個性だ。個性は誰にも真似されない。
だからお前が接客する時は、自分が大事にしていることをお客さんに伝えるようにしろ」
田中氏は「大切な事はすすきので学んだ」と恥ずかしそうに話す。

すすきので学んだ事を思い出し、構造設計の技術ばかり集中していた自分を変え、設計業務の先にいる顧客や施主に目を向けるように仕事のやり方が変わっていった。
停滞感は無くなり、徐々にお客様が田中氏のファンとなり、モチベーションが回復していった。

しかし、当時構造設計という職種の認知度や立場は極めて低く、設計図に構造設計者として署名をする欄すらなかった。
建物の基盤を作る大事な職種であるのに、報酬まで低いことにも違和感を感じるようになる。

「いつか構造設計者の立場を変えたい…。」
そんな夢を持ち、実現するには独立するしかないと考えたが、資金のなかった田中氏が次に向かった先は、すすきのではなくパチスロだ。
田中氏は、構造設計職で養った分析、解析力を使いパチスロ台ごとに勝てる確率を導きだした。
確率にもとづき一定の回転数から打ちはじめ、一定の回転数でやめる打ち方を繰り返し1000万円の資金を作る。
これを元手にに2005年実家の6畳一間で「田中構造設計」を開業した。

当時社会認知のない構造設計の設計料は極めて低く、人を雇って組織化する事は難しかったが独立から半年でその状況が激変する。
耐震偽装事件が起こり、田中氏が目指していた「構造設計者の社会認知」がこの事件を契機に実現してしまった。

開業当時からブログを開設し、構造設計技術者としてネットで意見を述べていた田中氏のもとには、20社以上の報道陣が6畳一間の事務所に全国から押し寄せた。
当時、構造設計技術者でブログを書いていたのは日本国内で田中氏だけ、であったからだ。
これを機に田中氏は個人事業を組織化することを決意し「田中構造設計」を「さくら構造株式会社」として法人化する。

しかし、法人化したと言っても北海道の誰も知らない小さな会社である。
社員採用の募集を行っても、応募者のほとんどは構造未経験者か、建設業界の落伍者ばかりだ。
それでも「ブログを読んで来ました」と言って集まってくれる仲間が少しずつ増え、仲間と一緒に会社を成長させるために5年間本当に一日も休まず働いた。

そしてあるとき、建築業界の落伍者であった仲間たちが、顧客に頼りにされ、新人に尊敬される技術者に成長していることに気づく。
その仲間たちから「社長と働いて人生が変わった」そう言ってもらえることが田中氏の生きがいになったと語る。

道に迷い、落ちこぼれ、受験に失敗し、社会に出て、会社を起こし、自身も成長しながら働く意義が変わってきた一人だからこそ「人が変われる」ことを誰よりも信じる。

現在、さくら構造の社員は60名を超え、業界で最も急成長した構造事務所と言われるようになった。

「人は変われる」を一人でも多く実現すべく、いまも仲間を増やし続けている。

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