茨城県水戸市 (株)戸頃建築設計事務所 所長 小川憲一氏に、さくら構造と取引を開始した経緯と評価について詳しく聞きました。
昭和52年初代所長戸頃志伸氏により設立。茨城県内の文教施設、福祉施設など多くの公共関係の建築設計を請け負う。県および市町村からの受注が7~8割を占める。所員10人(技術系6人、事務系4人)。
一級建築士。昭和43年生まれ。北海道旭川市出身。昭和63年戸頃建築設計事務所入社。平成18年2代目所長就任。
さくら構造は3年前から利用しています。これまでに耐震診断4件、耐震改修3件、新築1件の構造計算を依頼しました。
さくら構造を利用し始めたきっかけは、県内の構造設計事務所がどこも一杯になってしまったことでした。
県内で発生した仕事は、できるだけ県内の会社にお願いしたいと考えています。
しかし平成17年の耐震改修促進法改正を機に、茨城県でも耐震改修促進計画が策定され、平成29年を目処に、県や市町村が保有するすべての施設の耐震診断と耐震補強が実施されることになりました。
私たちが依頼してきた県内の構造設計事務所はどこも、6月と9月の議会終了後その年度の耐震診断・耐震補強設計を受注すると、その年度内はほぼ仕事を請けられないまでになりました。
県や市町村の予算は単年度消化が原則で、履行延長はよほどの事情がなければ認められません。
行政から依頼があれば、県外の構造設計事務所の手も借りてでも、年度内に履行する必要があります。
そこで平成20年頃から、県外の信頼できる構造設計事務所を探し始めました。
主に3つの点を重視しました。
1つ目は、納期を厳守してくれることです。
約束した期日までに構造計算を上げてもらわなければ、我々だけでなく、お客様にも工事関係者にも迷惑が及びますので、この点は特に重視しました。
2つ目は、応需能力が高いことです。
年度内の履行が必要な急ぎの案件や、大がかりな構造計算が必要な大規模案件にも、確実に対応してもらえる構造設計事務所を探しました。
3つ目は、料金が適正であることです。
安ければいいというものではありませんが、私たちも請負の金額の中でお願いせざるを得ないので、料金についてもよく検討させてもらいました。
「良い構造設計事務所の条件」を他に挙げるなら、提案を積極的にしてくれることです。
建設コストを構造的に抑える方法があれば、積極的に提案してほしいです。
構造上の問題を解決する方法に複数の選択肢がある場合は、それぞれのメリットとデメリットを添えて提示してもらえると助かります。私たち意匠屋も構造的に見せたい時があるので、そういう時は構造屋さんならではのアイデアを聞きたいです。
提案に際しては、解析結果などの技術的根拠を示してくれる構造設計事務所だと、私たちも安心できます。
さくら構造のことは、DMをいただいて知りました。
ちょうど私たちが県外の構造設計事務所を探し始めていた時でした。
さくら構造のDMには、ニュースレターも同封されていました。
当時対応を巡って業界が混乱していた平成18年の建築基準法改正について、ニュースレターで対応策が解説されていて、「よく勉強している構造設計事務所」という印象を受けました。
たまたま私の叔父が札幌で建築設計事務所をやってましたので、叔父に電話を掛け、札幌に本社があるさくら構造の評判を聞きました。
すると、叔父もさくら構造を利用したことがあって、「社長は若いが、しっかりした建築設計事務所」とのことでした。
札幌と東京で合わせて30人以上の技術者を擁するということで、応需能力にも期待できました。
そこで、いよいよ県内の構造設計事務所では行政からの依頼を賄えなくなった折に、さくら構造に耐震診断の見積を依頼してみました。
さくら構造から返ってきた見積は、こちらが考えていた金額とかけ離れていませんでした。
対応もしっかりしてる印象でした。
そこで試しに、耐震診断1件の構造計算を、さくら構造に依頼することにしました。
県外の構造設計事務所ということで、コミュニケーションをスムーズにできるかどうかは少し懸念しました。
しかしこの点については、今はインターネットを使えばいくらでもデータをやり取りできるので、問題ないだろうと判断しました。
コミュニケーションは電話とメールでスムーズにできましたし、納期もきちんと守っていただき、無事スケジュール通りに工事を履行できました。
私たちが重視する3つの点をさくら構造がクリアしていることがわかりましたので、その後も引き続き、さくら構造に耐震診断の構造計算を依頼するようになりました。
さらに耐震診断の案件で信頼性を確信できたところで、新築案件も依頼しました。
さくら構造と取引を始めたことで、次のようなメリットが得られました。
新築案件の構造計算でも、さくら構造は良い仕事をしてくれました。
お願いしたのは9千平米のホームセンターの構造計算でした。
さくら構造は、建設費を安く抑える構造設計を複数提案してくれました。
たとえば上部構造のフレームについては、梁断面のxy方向で鋼材重量が少なくなるようなサイズを選定してくれました。
基礎についても、中間基礎の有無による杭基礎と地中梁ボリュームの経済比較を行ってくれました。
ホームセンターのような商業施設の設計では建設費の抑制が特に重要ですので、このような提案をしていただいて非常に助かりました。
また、適合性判定の際に関東平野の液状化特性について質問すると、該当するデータが茨城県の環境白書に掲載されていることを教えてくれました。
お恥ずかしい話ですが、県内に住む私達が知っていなければならない情報に関して提示していただけるとは驚きでした。
ここまでやってくれる構造設計事務所は、他にはなかなかありません。
さくら構造は、私が考える「良い構造設計事務所」の条件を十分満たしています。
現在は公共関係の案件が7~8割を占めていますが、今後は民間の案件の受注も伸ばしていきたいと考えています。
質の高い構造計算を安定して提供してくれるさくら構造は頼りにしているので、今後もよろしくお願いします。
取材日 2011.12
さくら構造(株)は、
構造技術者在籍数日本国内TOP3を誇り、
超高層、免制震技術を保有する全国対応可能な
数少ない構造設計事務所である。
構造実績はすでに5000案件を超え、
近年「耐震性」と「経済性」を両立させた
構造躯体最適化SVシステム工法を続々と開発し、
ゼロコスト高耐震建築の普及に取り組んでいる。