早速仕事の引き合いがあり、鉄骨の工場の計画をしています。
実施がきまらなければ話で終わってしまいますが、今はどんな仕事もありがたいです。
ところで、鉄骨の部材を決める時、その材種をどうするか悩みます。
BCR材、SN材が阪神大震災以降に普及しだしました。
従来の鋼材には建築構造材として色々と欠点があたのでそれを改善した材種です。
細かい所は省きますが、大きな改善点は2つあります。
従来のSTKR、SS材にくらべ、溶接性と塑性変形能力(ねばり)が大きく改善されています。
これは震災で「梁と柱の接合部の溶接不良」や「梁端部の脆性的(もろい)破壊」等が目立ったことをうけて業界が取り組んできたものです。
でも「性能がいいならこれを使えばいい」とは行かないのが難しい所。
最近は柱に角パイプを使う時、従来のSTKR材からBCRが当たり前になってきました。
STKR材を使うと、設計ルール上どうしても部材断面が大きくなってしまう事と市場にもBCRが一般に流通するようになったためです。
BCRの方が材料単価は高いですが、部材自体が小さくなるので、コスト的には結果的にそれほど変わらないか、逆に安くなると思います。
梁に関しては、従来のSS材に変わって、SN材がありますが、柱より採用しづらい面があります。
構造屋としては、大梁にはSN材(B種)をお勧めするのが本筋なのですが、SS材と比較すると強度が同じなので部材は小さくなりません。
したがって単純にコストが上がります。
もちろんそのぶん性能は上等なのですが、コストを上げてまで採用できない建物もあります。
現状では法的な強制力がありませんので、設計者が判断して採用するかを決めています。
少しでもコストを下げるため、梁の端部のみSN材とし、梁中央部材をSS材とするなど、苦労のあとが見られる設計も見た事があります(^^;
こういったコストにからむ問題は構造屋の独自判断ではなかなか決めづらいので悩ましいところです。
最近では、なにも言われなければ、SN材、BCRをコッソリ使ってますが、ダメだしを食う場合もありちょっと怖い。
参考サイト
>>新しい鋼材・技術
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さくら構造(株)は、
構造技術者在籍数日本国内TOP3を誇り、
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数少ない構造設計事務所である。
構造実績はすでに5000案件を超え、
近年「耐震性」と「経済性」を両立させた
構造躯体最適化SVシステム工法を続々と開発し、
ゼロコスト高耐震建築の普及に取り組んでいる。