上司選択制度

「上司とウマが合わない」 そんな理由でやめさせたくない

上司選択制度 つくりました。

自分の上司は自分で選ぶ

社員が管理職の得意・不得意や人となりを理解したうえで「この人の下で働きたい」と思える上司を自分で選べる制度です。
「選ぶ」のは、入社2年目以上の社員。毎年3月に異動のアンケートをとり、希望があった社員については、原則、選んだ上司の設計室に異動できます。

上司選択制度ができたきっかけ

さくら構造 代表 田中真一

上司との相性という理由で優秀な社員が辞めてしまって、すごく申し訳ない気持ちになった。 だったら、 「一緒に働きたい上司を選べるようにすればいいんだ」 って単純に思ったんです。 さくら構造 代表 田中真一

上司の得意・苦手をチェックできるマニュアル

上司選択制度室長活用マニュアル

上司選択制度の肝となるのが、
この「室長活用マニュアル」。

上司となる室長(管理職)の能力や性格をまとめた、いわば上司の通信簿です。全社員に公開しています。

苦手なことも自己開示
目指すのは、お互いの個性を認め合う会社

設計品質管理、工程管理、顧客満足度向上といった業務上の能力から、社員の不安や悩みのケア、社員の自己実現支援、仕事を楽しませるなどの項目がたくさんあり、それぞれの項目に評価がつきます。

評価は、室長の自己評価に加えて社長からの評価、さらに、それを直属の部下を含めた社員たちにも見てもらい、総合的につけています。

メディアからの取材多数

GOODACTIONアワード受賞
2023年3月 第9回GOOD ACTIONアワード受賞(主催:リクナビNEXT)

▼ご紹介いただいた主なテレビ放送

2025年7月 NHK「コント×ドキュメンタリー 笑う会社革命」
2025年6月 TBS「news23」
2025年5月 テレビ朝日「グッド!モーニング」
2023年8月 TVhテレビ北海道
2023年3月 Webニュース専門チャンネル「ABEMA NEWS」
2023年3月 HTB北海道テレビ「イチオシ!!」

▼掲載された紙媒体・WEBメディア

日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞、北海道新聞、北海道建設新聞、北海道住宅産業新聞、財界さっぽろ、ITmedia、FNNプライムオンライン、求人ボックスジャーナル、ジョブキタ転職、日経ビジネス、マイナビニュース、コクヨ「MANA-Biz」など

密着NHK取材の裏側
NHK「笑う会社革命」舞台裏!「上司選択制度」の取材に密着

上司選択制度を導入した効果

社員(部下)の声

社員(部下)
  • 自分で上司を選べるから、仕事に納得感と主体性を持てるようになった
  • 人間関係の悩みが減った
  • 上司の弱点を補い合う意識が芽生えて、チームワークが向上した
管理職(上司)
  • 弱点を理解したうえで選ばれるため「完璧な上司」のプレッシャーから解放された
  • 部下に対するマネジメントの負担が軽減された
  • 管理業務に振り回されず自身のスキルアップにも集中できるようになった

利用した感想

新人時代に教育係だった上司と働いてみたくなった

元部下 現札幌第四設計室長 玉那覇 祐一
元部下
現札幌第四設計室長
玉那覇 祐一

入社から6年間は同じ上司の下で働いていたんですが、心機一転したくて制度を利用し、山本室長のもとへ異動しました。 「自分の意思で環境を変えられるんだ」という体験が新鮮でした。部下は上司を頼ることが必然的に多くなりますが、逆に上司からも頼られる人材になれば、相乗効果でチームとしてできることが増えるはず。 室長に昇進した今でも、お互いに頼れる上司・部下の関係性が理想だという考えは変わっていません。

異動したけど元上司のもとへ戻った

札幌第一設計室 渡辺 梨沙
札幌第一設計室
渡辺 梨沙

工程管理を苦手とする山田室長に心が折れて一時は「会社を辞めよう」と考えました。 その状況を知った別の室長や社長から制度の利用を勧められて、工程管理が得意な菅野室長のもとへ異動しました。 オーバーワークは解消しましたが、離れてみて山田室長の技術の守備範囲の広さや本音を言いやすい人柄の良さに気づかされ、翌年に山田室長の下へ戻りました。 工程管理スキルを菅野室長から学べたおかげで、今では山田室長の不得意な部分をサポートできるようになりました。

こんなむちゃくちゃな制度が
上手くいっているのはなぜ?

「さくら構造だから、です。」

さくら構造のカルチャー

  • 働き方、業務量、上司を社員自身が選択できる
  • 自分で決めたことには「全力を尽くす責任」を負う
  • 苦手なことを自己開示して助け合う

さくら構造は構造設計事務所です。

“構造設計”という建物の安全を担う職務の特性上、設計室長という役職は、エンジニアとして一流かつ設計の品質管理レベルが極めて高い人物である必要があります。

つまり、エンジニアが上司にならざるを得ない特殊な環境です。

設計室長にはそれぞれ高い技術力や豊富な経験があり、一緒に仕事をして学べることはざまざまです。

だから社員はこんな風に、上司を上手に“活用”しています。

上司選択制度は上司を苦しめる制度なのか?

よくある質問 Q&A

A. 部署(設計室)は消滅し、本人にはプレイヤーに戻ることになります。実際に、上司選択制度を始めてからこれまでに2人の室長が誰にも選ばれず設計室が消滅しました。 これは、一般的な組織では「降格」と見なされがちですが、当社ではネガティブに捉えていません。 もともと彼らは一流のエンジニアであり、ただ管理職に向いていなかっただけです。現在は、社長直属の”部下”として技術開発の分野に携わる重要なポジションで活躍してくれています。 会社としては、得意分野を活かして働ける新たなポジションを提案することが大切だと考えています。
A. 制度を始めたばかりの時は「人気取り」のような現象が出てくるかもしれないと懸念しましたが、そのような上司はいませんでした。 向上心があるエンジニアにとっては「嫌われるのを恐れて十分な指導をしてくれない上司」や「異動アンケートの時期だけ優しくなる上司」は尊敬の対象にならないことが要因と分析しています。
A. 「選ばれなかった」という自尊心へのダメージに対しては、社長自らが直接面談してメンタルケアを実施しています。 会社の規模が小さかった頃は、優秀なエンジニアをそのまま管理職にするしかありませんでしたが社員が150名以上に増えた今では、個人が自分の得意を活かせるポジションと仕事を与えられる人事を心がけています。
A. 異業種・異職種も含めて、どこの組織でもうまくいくわけではない制度という認識を持っています。 「社員一人ひとりの得意・不得意を認めて受け入れ合おう」という、当社ならではのカルチャーが土台にあるからこそ、成功していると考えています。
A. 直接的な原因と制度の存在を関連付けるデータはありませんが、実際に、昇進を打診して断られたことはあります。 ですが、出世を望まない人は、出世しなくても構いません。 当社では管理職の道へ進む働き方も、プレーヤーとして構造設計技術を追求する働き方も選べるため、昇進を望まない人も断る人も居て当然、という認識です。 もちろん、昇進を辞退しても本人の評価に影響しません。
A. 今のところありません。 必要性があれば検討し、社員全員が自分らしい働き方ができるように会社が変わっていくと思います。
A. 元の設計室に戻ることは当制度の本質を捉えた利用方法であり、当社としては、これが問題とは全く考えていません。 さまざまな上司を”活用”して成長した部下が、上司やチームを助ける好循環も生まれています。

「上司ガチャ」「配属ガチャ」は
受け入れるしかないのか?

(出典)
・厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(2021年3月卒業者)」
・アクシス株式会社「8割の人が上司ガチャでハズレを経験/日本国内の上司ガチャに関する意識調査」

上司選択制度について「若者への甘やかしだ」「わがままを許すとつけあがる」「人付き合いや仕事は嫌な上司に揉まれて覚えるものだ」という、客観的なお声をよく頂戴します。

本当にそうでしょうか?

社員が「ウマが合わない上司」のもとでストレスを感じ、モチベーションを失えば、その生産性は著しく低下します。これは企業全体の損失であり、「リベンジ退職」に発展する可能性も高まります。

社員が自ら相性の良い上司を選び、安心して仕事に取り組める環境を整えることは、社員の納得度や主体性を高めるだけでなく、企業の利益にも直結すると考えています。