構造設計の作業を大雑把分けるとこんな感じです。
私たち構造屋の仕事は構造設計がメインであり、場合により工事監理までおこないます。
本来は工事監理も構造部分は我々が行うべきですが、中小の建物では、デザイナーのお財布の都合で監理をやらない事が多いです。
施主の都合でない所が、さすが建築業界です。
えー、あまり皮肉を言うと、また苦情がくるので、この辺にして本題に行きます・・・
上記の分類の中で、1・2・3がセットで構造計算といいます。
1・2・3・4をセットで構造設計でしょう。
微妙な言い回しですが、たぶんこんな感じです。
で、先ほども言いましたが、我々の仕事のメインである構造設計の一番最初のステップ→”構造計画”これをデザイナーがやってしまうケースが結構あります。
ごく一般的なスパン割で特段難しい納まりない場合ならいいのですが、あきらかに構造的にアクロバットながんばっている場合でも事前相談なく、「はい、これでやって♪」と意匠図を渡される事も。
施主との基本計画で了承されていて、今更変更が出来ないケースもあります。
最初から構造屋に計画段階から相談していれば、この様にはならないのですが、デザイナーも構造屋に気を使い、なかなか相談しない。
つまり、まだ仕事になるかわからない段階で構造屋の手をわずらわせると、仮に仕事にならなかった(契約出来なかった)時に構造屋に申し訳ない、と思っている・・・?
建築業界は基本設計だけでお金をもらえない場合も多いのです。
大手は違うでしょうが、小さな設計事務所は、そんな事にも気を使い仕事をしています。
ですが、この構造計画こそが僕ら構造屋の腕の見せどころなんです。
経験のある構造屋の場合、それぞれが独自の構造イメージを持っており、構造計算は構造計画が決まってしまうと、ある程度断面の大きさ・配置がイメージできます。
そして、その構造イメージを構造解析で確認し、自分のイメージが正しい事を確認します。
もし構造イメージと解析結果に大きく違う所がでてきた場合は、その原因を探り調整を行います。
その調整は、自分のイメージを調整する事もありますが、解析結果の方を自分の構造イメージに近くなるよう調整する事の方が多いと思います。
つまり、この構造計画で、その建物の耐震性・経済性・機能性が決まってしまうと言っていいでしょう。
それほど重要な部分なのです。
個人的には構造計算よりもずっと構造計画が重要だと思っています。
だからこそ、安易に構造計画をせず、計画段階から、構造屋と協力して行く事で、より施主にとっても我々にとっても良い建物が出来る事につながると思います。
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超高層、免制震技術を保有する全国対応可能な
数少ない構造設計事務所である。
構造実績はすでに5000案件を超え、
近年「耐震性」と「経済性」を両立させた
構造躯体最適化SVシステム工法を続々と開発し、
ゼロコスト高耐震建築の普及に取り組んでいる。