木造住宅の耐震性能をプレゼンテーションする
今日は、建築構造のソフトメーカーの講習会に行ってきました。
主にそのメーカーのプログラムの利用方法についての講習会です。
このブログは構造を専門にしない方のために書いていますので、今日の講習会の内容は専門的な話ばかりですから、ここでは具体的な事は書きません。
でも、そんな中で一つだけおもしろい話が聞けたので書いておきます。
木造住宅の耐震性能を施主にアピールする事を考えてみます。
木造住宅の耐震性能をプレゼンテーションする
通常の戸建木造住宅は、ご存じのように構造計算がいりません。
壁量をちょこっとあたる程度です。
でもこれだと、施主に対してなんのアピールにもなりません。
「基準法通りです。」
としか言いようがありませんから。
仕事の依頼が決まってるのであればまだいいですが、他社と競合していて、計画の段階でなんとかアピールして仕事を取りたいという場合もあるでしょう。
耐震性能をアピールするために、計画段階で構造計算するなんて経費もかけれないですよね。
ではどーやって、自分が設計した建物の耐震性能を施主にアピールするか?
計画中の新築物件を耐震診断してみます♪
「耐震診断って、外注費がかかるじゃないか!」
いえいえ、耐震診断をやるのは、あなた自身で。
「耐震診断なんて、わからないよ」
大丈夫。できます。
ちょっと勉強は必要ですが、木造の耐震診断の考え方は非常にシンプルですから、まずは一般(簡易)診断でいいですからちょっと勉強してみてください。
以外と簡単でびっくりするかもしれません。
でも耐震診断したと言う事実だけでは施主に対するアピール度が弱いですし、計算する手間もあまりかけたくありませんから、ここでは耐震診断用のソフトを利用します。
→
HOUSE-DOC
このソフトを使った場合、一般診断用のデータでしたら入力に1時間かからないと思います。
いやもっと早いかな?
講習会で入力のデモを見せてもらいましたが、平屋の木造住宅の耐震診断データを2~3分で完成させていました(笑。
設計条件入力→壁配置→床配置→屋根配置→終了。
こんな感じです。
「ホントにこれで良いの?」って感じでした。
簡単に使えると思います。
精密診断のデータは細かく壁仕様等を入力するためもう少し時間がかかりますが、計画のプレゼン用なら一般診断でいいでしょう。
このソフトはグラフィック機能が視覚的にいい味を出しているので、施主の前でノートPC等を使って見せてあげるとかなりパンチが利いてアピール出来ると直感しました。
計算を流すとグラフィックの建物がグラグラと揺れて、耐震性能が満足していないと、建物が壊れたグラフィックになります。
満足していれば壊れません。
例えば、壁の有り無しで耐震性能にどの様に影響するか、施主の目の前でシミュレーションして見せる事ができますし、それよりなにより「耐震についてちゃんと考えてる」と思ってもらえます。
最近は耐震について真剣に考えている施主も増えているようですし、こういった使い方も、おもしろいと思いました。
このソフトを紹介するページでデモ映像がアップされていますので興味のある方は見てみてください。
ちなみに一般に市販されている木造の構造計算ソフトでは、こんな簡単には出来ません。
入力項目が非常に多く結構手間がかかります。
しかも、グラフィックもショボイ物ばかりでプレゼン用にも不向きです。
耐震に特化したソフト+グラフィックの充実があるから、こういった使い方が出来るのだと思います。
田中 真一
SHINICHI TANAKA
代表取締役
執筆者の詳細
さくら構造(株)は、
構造技術者在籍数日本国内TOP3を誇り、
超高層、免制震技術を保有する全国対応可能な
数少ない構造設計事務所である。
構造実績はすでに5000案件を超え、
近年「耐震性」と「経済性」を両立させた
構造躯体最適化SVシステム工法を続々と開発し、
ゼロコスト高耐震建築の普及に取り組んでいる。